2008JBC 園田競馬場探訪記 page3

 いよいよこの日のメインレース、第8回JBCクラシック(jpnⅠ)のスタート時刻がやって来ました。場内にこの日2度目の生ファンファーレが響き渡り、「園田競馬史上最高のレース」のゲートが開きます。

JBCクラシックファンファーレ+おまけ

 手拍子がバラバラなのは、やはり馴染みのないファンファーレだからでしょうか。外国人(確か南米系)の作曲家に作らせた、園田(兵庫県)競馬ファンにとってはお馴染みのファンファーレです。まあ、手拍子はともかく、思っていたよりも沸かなかったなあ、というのが正直な感想。

 ちなみに、演奏は「Brass Band H.B.B.」によるもの。以前は確か「阪急百貨店ブラスバンド部」と紹介されていた、こちらも園田競馬ファンにはお馴染み(?)のブラスバンドです。今回の動画(動画1)は、園田競馬場ご自慢のスピーカーから流れている音を拾っているので残念な音質となっていますが、実際に近くで聞くと(動画2)中々の迫力だったりします。

2008 JBCクラシック ファンファーレ

2008 JBCクラシック ファンファーレ

2007 兵庫チャンピオンシップ ファンファーレ

2007 兵庫チャンピオンシップ ファンファーレ


園田競馬場大盛況

 いよいよJBCクラシックのスタート。園田競馬場のスタンドが多くの観客で埋め尽くされた光景は壮観です。


JBCクラシック1周目

 2コーナーのポケットからスタートした馬群が、1周目のホームストレートへとやって来ました。ハナを切ったのは2番人気のサクセスブロッケン。その後にフリオーソ、ヴァーミリアンが続いて行きます。

 この後、2周目の3・4コーナー中間でサクセスブロッケンに並びかけたヴァーミリアンが、ゴールまで続いた熾烈な叩き合いを制してJBCクラシック連覇を達成。3着にはメイショウトウコンが入ったものの、ボンネビルレコードは6着に終わり、馬券はここまで全敗となりました。


ヴァーミリアン

 ヴァーミリアンはこれで国内戦に限れば7連勝、GⅠ・jpnⅠ6連勝となりました。前走・ドバイWCがあまりの負けっぷりだったために復帰戦の今回が注目されましたが、改めて王者の貫禄を見せつけた格好です。


園田1870mレコード

 メンバーがメンバーだけに、勝ち時計にも注目が集まっていましたが、その期待に応えるかのように、従来のレコードをコンマ6秒縮める時計での決着となりました。

 前回レコードが出た時と比べると、馬場差が2秒程度あったと思われ、時計の出にくい(普通の時計しか出ない)この日の馬場状態を考えると驚異のレコードタイムです。

 それにしても、逃げた馬の驚異的な粘り腰、人気馬による壮絶な競り合い、レコードタイムでの決着と、何となく前日の天皇賞と共通点を多く感じられる名勝負となりました。馬券は外しましたが、現場で観戦できて大満足です。


JBCクラシック 口取り

 大勢の関係者が参加しての口取り。ヴァーミリアンにはダート王者として、この後にも期待がかかります。また、2着に敗れたサクセスブロッケンも、その実力を存分に見せつけてくれました。

 この2頭に対して、あのカジノドライヴが実際にはどの位置にいるのかなど、この後もダート路線からは目が離せそうにありません。


兵庫クイーンカップ

 この日の最終レースは、北陸・東海・近畿・中国地区交流の牝馬限定重賞、兵庫クイーンカップでした。

 このレースのゲートイン時、吉田アナが場内の歓声に応え、それに対して場内が大いに沸くというシーンがありました。JBCの後も残ったファンに最後までお祭り気分を感じさせてくれる放送は流石です


キーポケット

 そのクイーンカップを制したのは、デビュー戦を4.6秒差という記録的大差で圧勝したことで知られるキーポケット。これで春の兵庫牝馬特別に続く重賞2勝目となりました。


板野央騎手インタビュー

 表彰式の後、鞍上・板野央騎手の勝利ジョッキーインタビューが行なわれました。あのエリザベスクィーンを「勝たせてしまった」事でも有名な同騎手ですが、これからの兵庫県競馬を担う一人として、活躍が期待されます。


祭りの後

 本日のレースは全て終了。辺りも随分と暗くなってきました。祭りの余韻に浸りつつ、ぼちぼち帰ることにしましょう。


払戻大行列

 メインレースが比較的手堅い決着だったことに加え、少なくともしばらくはここを訪れることの無い客が多数のため、最終レースが終了してしばらく経ったにも拘らず、払戻窓口はご覧のような大行列となっていました。

 まあ、クイーンカップも外して本日全敗だった管理人には全く関係のないハナシです。


資源は大切に

 つわものどもが何とやら。つくづく、競馬場というのは「エコ」なんて言葉とは無縁の場所だと感じます。投票用マークカードのあり方に関しては、もう少し何か考えないといけないのではないかと思わざるを得ません。

 え?一人一人のモラルに期待?そんなものを馬券を買う人間に求めてはいけません。


園田競馬場 バスターミナル

 最終レースが終了して約30分。時刻は午後5時を迎えようとしていますが、バス乗り場はさすがの大混雑ぶりです。ピストン運行の無料送迎バスがひっきりなしに出発していきますが、もうしばらくは混雑が収まりそうにはないようです。


園田競馬場からのご案内

 という訳で、この案内看板。確かにあの混雑を考えると、駅までは歩いた方が早そうです。

 ただ、この「15分」というのはかなりの速歩きをしない限り、無理のある時間設定だと思われ、実際に歩いた方々の中には「騙された~」と感じた方も多かったのではないでしょうか。


またのご来場をお待ちしております

 こうして園田初開催のJBCは、大きなトラブルもなく無事終了しました。

 今回は園田競馬場にとって、淀・仁川以外にも、大阪からこんな近くの場所にこんな競馬場があるということを知ってもらう、いい機会になったのではないかと思います。

 この日が園田初体験だったファンの何割かにでも、年末年始やゴールデンウィーク開催時に、「たまには園田にでも行ってみるか」とでも思ってもらえることになったのなら、兵庫県競馬にとって大成功だったと言えるのではないでしょうか。


 後日、JBC当日の開催成績が売上約20億5千万円(計画:17億円)、入場者数22,174人(同:2万5千人)と発表されました。入場者数は計画に届かなかったものの(実際に、想像していたほどの大混雑ではなく、程よい大混雑(?)という風に感じました)、何より売上が計画を大きく上回ったことから、今回の開催は成功を収めたのではないかと思います(広域場外の構成比などの細かいことを絡めた話は、管理人のような素人には分かりませんが)。

 そして、前年の大井開催と比べると、場内には「特別な日・お祭り気分」な空気が満ち溢れており、やはりJBCは毎年開催場が変わり、各地の競馬場で開催されるべきものだと感じました。現状の売上での開催に耐えられる体力を持った主催者というのは限られているのかも知れず、またJBCクラシックはレース体系上中途半端な存在の感もありますが(本当に中途半端なのは東京大賞典なんでしょうけど(川崎記念がjpnⅠなのは論外)、興行的には年末にjpnⅠやらんと仕方ないでしょうし。。。いっその事JBCを年末に持ってきて、全日本2歳優駿をJBCジュベナイルに、さらにはディスタフ(レディースクラシック?)も新設してしまえば、JBCの目標として掲げられている「将来的にはダートの各カテゴリーのチャンピオン決定戦とすべく」という形に近づくと思うんですけど、どうなんでしょうか。。。ま、無理か(笑) とにかく、ダート中距離GⅠを月イチで4か月連続行なっているのは明らかに過剰)、今回はJBCというイベントのこれからの方向性を示すことになった開催だったような気がします。

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