2009黒船賞 高知競馬場探訪記

2009黒船賞 高知競馬場探訪記 5ページ

 場内では勝利ジョッキーインタビューが続いていましたが、そろそろ高知駅方面行きの無料バス出発予定時刻の17:00(公式ウェブサイト等で案内されている時刻)が迫ってきていたので、バス乗り場へと向かいます。

高知競馬ハルウララ号

 スタンド壁面に描かれた(正確には貼り付けられた)ハルウララ。また見る機会があることを祈りつつ。。。

残席案内

 管理人が到着した時には14席だった特観席の残席は、最終的に9席となっていました。残り一ケタなら、まあほぼ満席の盛況だったと言っていいでしょう。

 先述の通り無料送迎バスの出発は17:00と案内されているものの、最終レースの発走時刻(この日は17:00)により出発時刻が変更になる場合があるという事で、おそらく出発するのはレース終了後になるだろうと予想していましたが、バス乗務員の方に尋ねてみるとやはり最終レースが終了するまでバスは出発しないとの事。高知駅17:46発の普通列車に乗らなければ18きっぷの使用のみでは当日中に高松へと辿り着けないので、17:20くらいまでには出発してくれて、なんとか列車に間に合ってくれればいいななどと思っていたのですが。。。

 待てどもバスが出発する気配は無く、17:25を過ぎたところで予定の普通列車に間に合う可能性を諦め、携帯で乗換案内サイトにアクセスします。調べてみたところ、高知駅18:37発の特急列車があり、この列車を利用すれば「大杉」という駅で元々乗る予定だった普通列車に乗り換えられることが分かり、とりあえずは一安心しました。

 結局、バスが高知競馬場を出発したのは17:30を過ぎた頃となりました。30分以上バスの中で様子を見ていて、運行方法等について思ったことも沢山あるのですが、無料で乗せていただいている身ですし、何より無料バスの廃止が決定された今となっては何を言っても無意味なので、発言は控えておこうと思います。

高知駅 18:37発 JR四国・特急南風26号 岡山行
大杉駅 19:08着
19:31発 JR四国・普通 阿波池田行
阿波池田駅 20:57着
22:14着 JR四国・普通 多度津行
多度津駅 20:57着
22:16発 JR四国・普通 高松行
高松駅 23:03着
思わぬ出費

 18きっぷでは特急に乗車することができない為、大杉までの乗車券と特急券を高知駅の券売機で購入。1,250円は予定外の出費となってしまいましたが、こういったハプニングもまた旅の醍醐味という事で、プラスに捉えておきましょう。

しまんと

 利用した特急は岡山行きの「南風」と高松行きの「しまんと」を併結したものでした。前回探訪した際には南風を利用したので、車両は一緒ですがしまんとの方に乗り込みます。

 それにしても、今回の旅で特急に乗るとは思っていませんでしたが、行きに4時間半も普通列車に揺られた後だけに、改めて特急の快適さと速さを感じることができました。

 エンジン全開・振り子フリフリで快走する列車に揺られウトウトしていると、あっという間に約30分の乗車時間が過ぎ大杉駅に到着。高松まで乗って行きたいなあ、と後ろ髪を引かれつつ列車を下ります。

大杉駅

 大杉駅を出発していく「南風・しまんと」。高知駅を51分前に出発した普通列車をわずか31分の走行で追い抜き、さらにここ大杉駅で23分の待ち合わせ時間を発生させる快速ぶりでした。逆に言えば普通列車の鈍足ぶりが際立つとも言え、四国内の列車移動は特急でないと大変だという事がお分かりいただけるかと思います。

 普通列車の到着までは少し時間があるので駅の外へと出てみたのですが、駅前ですらほとんど何も見当たらず真っ暗な状態。ただ、空を見上げると綺麗な星空が広がっていたので、「オリオン座の大星雲がはっきりと見えるなんて久しぶりやなあ」などと思いつつ、しばしの間、都会では味わうことのできない天体観測気分を楽しみました。

ガラガラの車内

 しばらくの待ち合わせ時間の後にやって来たのは2両編成のディーゼルカー。大杉駅で乗り込んだ3人を合わせて乗客はたったの4人。そして終点の阿波池田駅までその乗客数が変わることはありませんでした。

 ちなみに、この日の夜は昼間の暖かさとは打って変わって冷え込んだのですが、途中何回かあった長時間停車の際にもドアは開けっ放しだった為、暖房が入っていたにも拘らず車内は寒く感じられました。今時利用客の少ないローカル線では、空調を入れている時には車内温度保持の為にドアを開けっ放しにしない列車が多いのですけどね。。。

 阿波池田駅からは当初の予定通りに旅が進み、高松駅には定刻に到着しました。ジャンボフェリー無料送迎バスのJR高松駅前出発予定はフェリー出航前の30分前となる0:15という事で、コンビニで買い物をし、JR高知駅の待合所で遅めの夕食を軽く摂ります。

 その後バスの時間が迫ってきたのでバス停へと向かってみると、それなりの人数が集まっていました。とは言え、流石に行きほどの混雑ではなく、フェリー乗船後も各々ある程度ゆとりのある仮眠スペースを確保できる状況でした。

高松東港フェリーふ頭 0:45発 ジャンボフェリー 神戸行1便
神戸・三宮新港第3突堤 4:45着
脱衣所

 長旅の疲れと汚れを落とす為、フェリー乗船後にまず浴室へと向かいました。ドライバー室に隣接した判りにくい場所にありますが、一般客でも自由に利用ができます(ただし男性専用)。

 画像は脱衣所の様子ですが、100円玉返却式のロッカーのほか無料で利用できる洗濯機に乾燥機、洗剤と髭剃りの自販機などが備わります。

浴室

 浴室内の様子。なんとサウナまで備わり、奥の浴槽はジェットバスとなっています。若干床が滑りやすくなっていましたが、思っていたよりも清潔で、瀬戸内海を眺めながらの入浴を存分に楽しめる設備だと感じました。

 なお、浴室内に石鹸・シャンプーの備え付けはありませんので、事前に用意しておいた方が良いでしょう。船内の売店ではトラベルセットの販売があるようですが、この深夜便では売店の営業自体がありません。今回、小さめの石鹸とバスタオルだけはバッグに入れていたのが重宝しました。

風呂上がり

 コンビニで購入した発泡酒を開け、風呂上りの一杯をいただきます。長旅の疲れを吹き飛ばす最高のひととき。なお、飲酒運転防止の為、船内でのアルコール類の販売が一切ありませんので、船上での一杯を楽しみたい場合は事前に用意しておく必要があります(飲酒運転「ダメ。ゼッタイ。」)

 後は帰宅するだけなのでずっと起きていようかとも思っていたのですが(実は日本酒も用意していました)、結局500ml缶を1本空けた後は歯を磨き、和室で束の間の仮眠をとる事にしました。

神戸の街

 2時間ほどの仮眠の後、目覚ましがてら展望デッキへと出てみると、進行方向左側には神戸の夜景が広がっていました。やがて船内には「ふたり~を~む~す~ぶ ジャンボ~フェリ~♪」と利用客にはおなじみのテーマソングが流れ、4時間の船旅の終わりを告げます。

 フェリー下船後はバスを利用せず、三宮駅までは15分程度かけて歩いて向かい、そこから阪神と地下鉄を利用して自宅へと向かいました。2泊3日の様で日帰りの様でもあった今回の旅。帰宅後は爆睡だったのは言うまでもありません。強くオススメはできませんが、安く高知競馬場を探訪する方法としてはアリかな、というのが感想です。

 今回、二年ぶりの開催となった黒船賞ですが、売上は1億8600万円ほどだったようで、前回と比べると4千万円ほどのダウンとなってしまったようです。予算がどうなっているのか等は知る由もありませんが、無料バスまで廃止せざるを得ないほどの切羽詰まった状況の中で、高知競馬としては破格の賞金額となるダートグレード競走の開催を維持するのは相当厳しい事かと思われます。折角復活させた以上、高知競馬の目玉と言える競走をまたすぐに休止してしまう様な事態は避けていただきたいところではありますが、開催することが致命傷となってしまっては本末転倒。経営に貢献している競走であってくれればいいのですが。。。

 それはともかく、前回の探訪に引き続き今回の探訪でも改めて感じたのが、高知競馬場が地元の方々の手軽なレジャースポットとして親しまれているという事です。休日に家族で公園にピクニックに出かけるかのような感覚で訪れることのできる、そんなほのぼのとした雰囲気の競馬場がこれからも続いていってくれる事を祈らずにはいられません。

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