盛岡競馬場
競馬場へのアクセス
競馬開催時には、JR盛岡駅前と競馬場を結ぶ無料送迎バスが運行されています。かつては比較的多かった運行本数も現在は限られているので、利用の際は事前に公式ウェブサイトで時刻等を調べておいた方がよいでしょう。
盛岡駅前を出発したバスは、途中の停留所でも客を拾い、やがて市街地を離れ山の方へと向かっていきます。競馬場にはたっぷりと30分以上の所要時間をかけて到着し、市街地から外れた山の中に建設された競馬場であることを実感させてくれます。個人的には、佐賀競馬場を探訪した際と近い感覚を持ちました。
所在地 | 岩手県盛岡市新庄字上八木田10 |
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最寄交通機関 | JR盛岡駅前より無料送迎バスの運行あり(所要時間約30分) |
場内・席情報
1996年に現在の地に移転、新設された盛岡競馬場は、地方競馬場屈指の規模と設備を誇ります。何と言っても特徴的なのが、地方競馬場唯一となる芝コースの存在。それも、見慣れたJRAの競馬場とは逆の、外側がダートコースで内側が芝コースというレイアウトとなっています。
入場門をくぐると、巨大な馬像が正面に現れます。右手(1コーナー側)に視線を移すと、食堂棟があり、スタンド脇にはパドックがあります。パドックは同じ岩手競馬の水沢競馬場と同様、本馬場へとダイレクトに入場できる構造となっています。
有料席はゴール側のR指定席、設備のサイズに余裕のあるG指定席、4人ボックスのF指定席があり、料金は土・日・祝がG:1,700円でR・F:各1500円、平日が一律1,200円となっています(いずれも入場料200円込み)。水沢競馬場と同様、15時までコーヒー、オレンジジュース、ウーロン茶のサービスがあり、売店のカウンターに並んでいる、予め各ドリンクを入れられたコップを、自由に持っていくスタイルとなっていました。
R指定席の様子。2席で1組の構造ですが、センターアームレストもそれぞれの席に備わり、ゆったりとした設計となっています。
席種 | 価格 (入場料込) |
備考 |
G指定席 | 1,700円(土・休日) 1,200円(平日) |
スタンド3階。4コーナー寄りにあり、R指定席に比べてテーブルが大きい等、設備のサイズに余裕があります。 |
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R指定席 | 1,500円(土・休日) 1,200円(平日) |
スタンド3階。G指定席よりゴール側のエリアとなります。 |
F指定席 | スタンド3階。4人ボックスタイプの席となります。 | |
一般席 | スタンドには屋内・屋外観覧席が用意されています。 |
ギャラリー
大型ビジョン
左が着順掲示板の役割を担うほか、オッズ情報なども表示する「オーロボード」、右が大型映像装置「オーロビジョン」です。超大型マルチ画面ターフビジョン未導入のJRAの競馬場よりも、立派な設備を持っていると言えます。
食べ物・グルメ情報
盛岡競馬場名物として有名な「焼とり」は、何と言ってもそのサイズに驚かされる1品です。お好みで唐辛子をかけていただきます。
管理人が探訪した際には、盛岡市に隣接する葛巻(くずまき)町の産直が出店していました。そこで販売されていた、こむぎ田楽(120円)とそば田楽(150円)は、辛みそ・甘みそ・にんにくみその3種類から味付けを選ぶことができ、注文をすると炭火で軽くあぶってから渡してくれました。小腹がすいた時に手軽に食べられる、素朴な味わいの1品でした。
雑感
黄金の競馬場、「OROパーク」こと盛岡競馬場です。他の殆どの地方競馬場とは一線を画す偉容を誇り、到着してまずは「凄いものを造ったもんやなあ」と感じさせられました。パドックからすぐに本馬場に出られる構造や、ゆとりある指定席を始めとする場内の設備等は、素晴らしいの一語に尽き、移設当時、「地方競馬の優等生」とも言われ、羨望のまなざしを向けられたのも納得です。
その競馬場が、オープンから10年余りを経た07年現在、巨額の建設費等がもとで瀕死の状態に陥っているのは何とも皮肉なハナシで、「凄いものを造ったもんやなあ」という感想は、すぐさま「もし廃止されることになったら、コレ、どないするんやろ?」というものに変化してしまいました。
管理人が探訪した日は、07年度の盛岡競馬場開催最終日で、場内実況の「本年度最後の芝レース」や「盛岡競馬場本年度最後の競走」の「最後の」という部分が妙に響きました。最終競走が終わった後、「本年度」の部分が打ち消されることのないことを祈りつつ、帰路についたファンも少なくなかったのではないかと思われます。「単年度収支均衡」が存続条件の岩手競馬。今後どのような展開を見せるのかが注目されます。
(08.4追記:無事(?)に08年度の岩手競馬の開催が始まりました。賞金や手当の大幅カットを始めとした支出の削減を進めた結果、何とか赤字収支を逃れて08年度以降の存続に漕ぎつけたような感もあり、今後は支出の削減よりも(もちろん無駄な部分に関しては削っていくべきですが)いかに収入(つまり売上)を増加させていくかが求められるのではないかと思います。これからの、「地方競馬の優等生」の復活に期待したいところです。)
盛岡競馬場 | |
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主催者 | 岩手県競馬組合 |
公式ウェブサイト | http://www.iwatekeiba.or.jp/ |
盛岡競馬場 最終探訪日:07.10.29 ページ更新日:11.3.26